ここ数年、住宅ローンの金利はかなり低水準で推移しています。住宅ローンの見直しによって金利が下がれば、家計の節約にもなります。特に住宅ローンは返済期間が長期間になるので、節約できる金額は大きくなる可能性もあります。

しかし、住宅ローンの見直しは頻繁にすることではないので、次のような疑問を持つ方もいるでしょう。

・そもそも見直しにはお金がかからないのか
・誰に相談すれば良いのか
・失敗しないように注意すべき点はないのか

借り換えとは、新たに住宅ローンを契約した結果入ってきた借入金を、今返済しているローンの返済に充てるということです。つまり、新しいローンの契約にあたって手数料がかかる場合は、これを支払う必要があります。

また、ネット銀行であれば携帯電話もしくはパソコンから手続きできますが、都市銀行や地方銀行の場合は、銀行へ行く時間を取らなくてはなりません。

見直しした結果、現在利用しているところとは別の銀行でローン契約することになったら、新たに口座を開設する必要にも迫られます。

口座の開設も考慮すると、手数料以外に相応の時間と手間がかかります。そのほか、住宅ローンの中には繰上返済手数料がかかる場合もあるので、こちらもあらかじめ確認しておく方が良いでしょう。

新たなローン契約手数料と繰上返済手数料とで、数十万円単位の現金を用意しなくてはいけないこともあるので、注意が必要です。

住宅ローンの見直し相談。誰にするのが良い?

住宅ローン見直しの相談は、必ず「今ローン利用している銀行以外の人」にしましょう。
銀行はローンの金利で利益を得ています。ローン契約後に金利が下がったからといって借り換えに対応していたら、銀行は自ら利益を圧縮していくことになってしまうのです。

このため、同じ銀行では住宅ローンの見直しができず、見直しするとなると別の銀行で新たにローン契約をすることになります。したがって、「今ローン利用している銀行の担当者」は見直しをさせない方向で話をしてくるでしょう。

かたよりのある話を聞いても、正しい判断をするのは難しいと言わざるを得ません。

相談先のひとつとして、おすすめは住宅ローンアドバイザーです。住宅ローンアドバイザーは民間資格者ですが、第三者目線でのアドバイスを期待できます。セミナーを開催していることもありますので、参加して話を聞いてみると良いでしょう。

また、資格認定をしている一般財団法人 住宅金融普及協会は、住宅ローンアドバイザーの紹介をしています。協会ホームページから問い合わせできますので、利用してみてください。
一般財団法人 住宅金融普及協会

住宅ローンの見直しで気をつけるべき点

前述の通り、銀行の住宅ローンを見直ししようとすると、別の銀行に申込みをして審査を受けるところからスタートすることになるでしょう。

現在のローンも新たなローンも、ネット銀行であればその必要はありませんが、都市銀行や地方銀行などの場合は、銀行へ行く時間を作らなくてはなりません。

また、審査等の手続きには相応の時間がかかります。

なお、最初のローンを契約した時から健康状態が悪化していると、見直しできない可能性もあるので要注意です。

住宅ローンの契約にあたっては「団体信用生命保険」の加入を義務付けている銀行が多数あります。団体信用生命保険とは、契約者が亡くなった場合に残債分の保険金が支払われる保険のことです。

なお、現在はがん特約など病気に関する特約も用意されています。ただし、仕組みは一般の生命保険と同じなので、保険の加入にあたっては健康状態の審査を受けることになります。

つまり、健康状態が悪化していると、保険の審査を通過することが難しいために条件を満たせず、新しいローンの契約ができないこともあり得るのです。

住宅ローンの見直しは、若くて健康なうちにする方が審査が通る可能性も高く、有利と言えるかもしれません。

そのほか、住宅ローンとは別の自動車ローンやカードローンなどがあれば、先に完済しておくのがベターでしょう。ローン返済額が多すぎると審査通過できない可能性もあります。