まず団地リノベーションの最大の魅力と言えるのが、購入価格が安いということです。

そもそも団地って買える?

そもそも、「団地って賃貸じゃないの?」という疑問を持たれるかもしれません。
 
確かにURは、原則賃貸住宅を取り扱っており、団地の多くは賃貸用です。一方で、当初から分譲を想定した団地や、かつてURが管理していた賃貸物件が中古分譲住宅として出回っている団地もあります。
 
こうした物件は、通常の分譲マンションと同様に購入することが可能です。

どれくらい安い?

団地建設のピークは、高度経済成長期の1960〜70年代でした。そのため、築年数が古い物件が多く、場所によっては中古マンション相場の半額程度で購入できる場合もあります。

東京都東久留米市の滝山団地を一例に挙げると、最寄り駅からバス10分圏内・2LDK・50〜60㎡の物件の場合、通常の中古マンションは1,000〜1,700万円程度が中心価格帯です。
それに比べ、滝山団地の住戸は2LDK・50〜60㎡で700〜800万円程度で売買されています。

建物の安全性や快適性という意味でも、団地はオススメできます。

団地は頑丈?!

建物の耐震性で重視されるのが、昭和56年に改正された「新耐震基準」の後に完成した建物かどうか、という点です。
 
旧耐震基準では、震度5程度の地震で倒壊しないことが条件でしたが、新耐震基準では、震度6〜7の地震でも耐えうることが条件とされています。
団地の多くは旧耐震基準の対象となりますが、壁式構造という構造を取り入れています。壁式構造とは、柱や壁でなく耐力壁という壁で建物を支える構造です。多くの団地では、住戸ごとに耐力壁で仕切っていることから、通常の中古マンションに比べて頑丈とされています。

外見ではわからない経年劣化

デメリットの一つ目は、内部の経年劣化です。
 
たとえば、水回りをリノベーションしようとした時、給排水管が劣化していて取り替える必要が出てきた場合、想定していなかったコストが上乗せされる可能性があります。

リノベーションの範囲が限定されることもある

団地の多くが取り入れている壁式構造は、建物が頑丈になるというメリットがありますが、その反面、耐力壁を取り除くことができないという問題点があります。つまり、不要な壁を撤去したいと思っても、構造上壊すことができない場合があるということです。
 
費用が安い分、リノベーションの幅が狭くなる可能性があることを認識しておきましょう。

エレベーターがない物件も!

意外と見落としがちなデメリットが、高度経済成長期に建設された5階建程度の団地には、エレベーターが設置されていないことが多い点です。
 
普段の生活だけでなく、リノベーションにおける工事の制約になる場合もあります。上層階に済む場合には注意が必要でしょう。