リノベーション物件は新築に比べ、手に入れる際の価格が非常に安いという魅力があります。築年数が経っていても、内装は非常に新しいため、入居してすぐはそれほど不都合を感じません。しかし年数が経つにつれ、修繕などが必要になる箇所もあります。物件自体が古いということが、具体的にどのように影響してくるのかを見ていきましょう。
建物が古いことで最も問題になりやすいのが、下水道などに通じる配管設備です。お風呂や洗面台、便器などの設備は新しいものになっていても、配管自体をリノベーションで交換することは、まずありません。そのため、築年数なりの古い状態のままであることがほとんどです。建物が大きければ大きいほど、排水管は複雑に張り巡らされており、錆びや汚れから来る悪臭はなかなか無くすことができません。排水口付近の汚れや臭いであれば、薬剤を使うことである程度解消できます。 しかし下水道につながる深い部分の汚れをなくしたければ、管自体を取り替えるような大規模な工事が必要になるでしょう。住み始めてしばらくして、夏など気温の高い時期になるとキッチンの排水溝からニオイが出てきてしまうといったトラブルもあるのです。また古い配管の中には錆びやゴミが詰まっており、ネズミやゴキブリなどの通り道になってしまいます。
建物が古いということは、それに使われる素材も昔のものだということです。新しい建物であれば、断熱や防音など、高い性能を持った建材を用いていますので、冷房なり暖房を使う際にとても効率よく断熱ができます。また吸湿性のある素材で地面からくる湿気を防いだりもできますので、カビ対策としても有効です。 しかし、古い建物ではそういった建材は使われておらず、暖房をいくらかけてもなかなか温まらないということにもなります。カビが一度生えてしまうと取り除くのには多額の費用が必要になりますし、放っておけば住んでいる家族の健康にも被害を及ぼすでしょう。そのため、新築に比べて額面上は安くとも、この辺りの対策に結局は追加の費用が発生するのです。リノベーション物件を購入する際には、必ずその土地の湿気の状態や、間取り、エアコンが何機必要かなどをチェックしておく必要があります。
リノベーションした物件に関してもう一つ心配なのが、屋根や外壁の劣化の状況です。これらはどうしても雨や風にさらされるため、時間とともに古くなっていきます。特に屋根については、購入時にもなかなか自分で上がってチェックするというのが難しい部分ですから、思わぬ欠陥があったりもするのです。 雨漏りなどがあると部屋の内部の家電や家具にもダメージがありますので、きちんとしたメンテナンスが必要になります。しかし、屋根に登って自分で補修をするというのは、非常にハードルの高いことです。落下の危険もあるため、専門家に任せる方が良いでしょう。瓦葺であれば葺き替えるのに多額の費用が必要になります。外壁に関しても同様で、表面だけ塗り替えてあっても、内部が腐食していたり劣化していると穴が開いたりしてしまいます。これについても、購入時にしっかりと専門家にチェックしてもらう方が良いでしょう。