リフォームローンとは?住宅ローンと何が違うの?

リフォームで使用できるローンは大きくリフォームローンと住宅ローンの2つに分かれます。この2つの大きな違いは、担保のあり・なしです。リフォームローンでは、自宅を担保に入れる必要がない分、住宅ローンに比べ高い利率が設定されております。それ以外の違いも含め、リフォームローンと住宅ローンの違いを以下でまとめたのでご確認ください。

リフォームローンと住宅ローン違いまとめ

 リフォームローン
(担保なし)
住宅ローン
(担保あり)
初期費用なし20万円ほど※1
金利相場2.5~4.5%0.5~2.5%
借入限度500万or1000万が多い1億円が多い
借入期限最長5年or10年が多い最長35年が多い
団体信用保険※2原則なし原則あり
手続き・簡単
・審査短い(当日~2日)
・煩雑
・審査長い(4~7日)

※1 担保設定の為の事務手数料・保証料
※2 契約者が死亡したときにローン残高を保険金で賄える保険

以上を踏まえると、多くの場合、借入期間10年未満で数百万円単位での借入れを行うときはリフォームローンを選ぶことになります。

一方で、住宅ローンは1000万円を超える大型のリフォームや、中古マンションなど物件の購入費と合せてリフォーム費用もローン申請する場合のどちらかの場合に使うのが一般的です。

リフォームローンの金利相場と最安値金利の会社について

リフォームローンの金利は、各社とも毎月変わる可能性があるため、インターネット上で公開していなかったり、様々な条件によって金利も変動したりするため、比較が難しく、相場が分かりにくくなっております。ここでは、公開されている情報をもとに、代表的な金融機関のリフォームローンの金利と、最安値金利のリフォームローンについてご説明します。

フォームローンの金利一覧相場

ここでは、2017年12月時点で公開されている情報をもとに、代表的な会社のリフォームローンの金利をご説明します。

リフォームローン 金利調査結果

会社名商品名金利
イオン銀行スーパーリフォームローン固定2.5%
SBIネット銀行リフォームローン固定3.475~4.475%
三菱東京UFJ銀行ネットDEリフォームローン変動2.875%
三菱東京UFJ銀行スーパーリフォームローン(窓口受付専用)変動2.975%
みずほ銀行みずほ銀行リフォームローン(変動金利)変動3.975%
みずほ銀行みずほ銀行リフォームローン(固定金利:10年以下)固定4.25%
りそな銀行りそなリフォームローン固定4.475%
千葉銀行ちばぎん住まいのリフォーム変動2.7%
横浜銀行横浜銀行リフォームローン(インターネット申込)変動2.8%
京都銀行住宅リフォームローン(変動金利)変動2.675%
京都銀行住宅リフォームローン(固定金利:5~10年)変動2.8%

代表金融機関 住宅ローン金利一覧

会社名商品名金利
SBIネット銀行住宅ローン(変動金利・通期引下げプラン)変動0.527%
SBIネット銀行住宅ローン(変動金利・通期引下げプラン)変動2.39%
三菱東京UFJ銀行プレミアム住宅ローン(固定3年)固定0.45%
(4年目以降、1.05~1.1%)
みずほ銀行みずほ銀行住宅ローン(20年固定プラン)固定1.175~1.65%
みずほ銀行みずほ銀行住宅ローン(全期間重視プラン)変動0.625~1.075%

このように、窓口対応の有無などの理由から、比較的にネットバンキング、地方銀行、都市銀行の順番で金利が安いことが分かります。また、固定金利と変動金利では、金利の変動リスクを顧客が背負う分、固定金利より低く設定されております。

3.475~4.475%など金利に幅があるリフォームローンは、審査結果によって金利が決まるものになります。具体的な審査項目は公開されておりませんが、完済時年齢、借入時年齢、返済負担率、勤続年数、年収、担保評価、健康状態によって決まると考えてよいでしょう。

そのほか、団体信用生命保険(契約者が死亡した時にローン残高を保険金で賄える保険)の有無、繰上返済費用、初期手数料、保証料の有無については各社異なってきますので詳細は各社のホームページなどで確認してください。

リフォームローンの最安金利は2.5%前後。条件次第で2%弱も!

上述のように、リフォームローンの最安金利は2.5%が目安となります。さらに、リフォーム内容やリフォームローン申込み先の金融機関との取引状況に応じて、最大で1%以上金利が優遇されることがあります。

リフォームローンによって、具体的な条件は異なりますが、以下の条件に該当する場合は優遇される可能性があるため、リフォームローンの申込み候補の金融機関で優遇対象になるか確認しましょう。

■金利が優遇される可能性があるリフォーム内容

以下のリフォームに該当する場合

  • エコリフォーム
  • バリアフリーリフォーム
  • 耐震リフォーム

■金利が優遇される可能性がある取引内容

リフォームローン申込先の金融機関で、以下の条件を満たしている場合

  • 住宅ローンの残高がある
  • 口座を保有している(一定額以上の残高あり)

そのため、リフォームローンの最安金利をとるためには、普段付き合いのある金融機関に実際にどれくらいの金利になるのか問い合わせてみるのも手でしょう。該当しなければ、2.5%前後の金利で手を打つのが妥当でしょう。

金利や返済期間の違いによる支払額シミュレーション

金利や返済期間の違いは、毎月の支払額や支払利息に大きな影響を与えます。ここでは、それらを一覧表にまとめました。返済期限を決める上で是非とも参考にしてください。

リフォームローン金利・期間別支払額まとめ(500万円のローンを組む場合)

金利(%)支払期間
(年)
支払額
(円/月)
支払総額
(円)
2.53144,3065,195,016
2.5588,7365,324,160
2.5764,9455,455,380
2.5 1047,1345,656,080
33145,4065,234,616
589,8435,390,580
766,0665,549,544
1048,2805,793,600
3.53146,5105,274,360
3.5 590,9585,457,480
3.5 767,1995,644,716
3.5 1049,4425,933,040
43147,6195,314,284
592,0825,524,920
768,3445,740,896
1050,6226,074,640

リフォームローンを組む上での個別論点

リフォームローンを組むときには、金利以外に借入金額や金利の種類や返済方法についても考慮する必要があります。ここでは、金利以外に注意すべき論点についてご説明します。

どれくらいの借入れを行うべきか/行えるか

リフォームローンを考える上で、無理のない返済計画を立てる必要があります。その際、月々の返済額からリフォームローンで借入額を考えてみるとよいでしょう。例えば、下の表をごらんください。

月々の返済額から算出する借入金額

月々の返済可能額借入可能額  ※()内は総返済額
 3年(36回)5年(60回)10年(120回)15年(180回)
1万円約34万円
(36万円)
約56万円
(60万円)
約104万円
(120万円)
約145万円
(180万円)
3万円約103万円
(108万円)
約167万円
(180万円)
約311万円
(360万円)
約434万円
(540万円)
5万円約172万円
(180万円)
約278万円
(300万円)
約518万円
(600万円)
約724万円
(900万円)
7万円約241万円
(252万円)
約390万円
(420万円)
約725万円
(840万円)
約1,014万円
(1260万円)
※固定金利3%で試算

10年返済でリフォームローンを考える場合、月1万円なら返済が可能な場合、約104万円(総返済額120万円)、月7万なら返済が可能な場合、約725円(総返済額840万円)ほど借りても問題ありません。これに貯金から現金で支払う分など自己資金を加え、全体のリフォーム計画を考えていけばよいのです。

固定金利と変動金利とどちらを選ぶべきか

先述の通り、固定金利と変動金利では、金利の変動リスクを顧客が背負う分、固定金利より低く設定されております。

変動金利と固定金利の違いまとめ

 変動金利固定金利
金利相場安い高い
変動リスクありなし

さて、このとき気になるのが、「変動金利でどれくらいの金利の変動の可能性があるのか」ですが、リフォームローンを取り扱う金融機関に問い合わせましたが、変動金利がどれくらい変動するかは、全く不明であり、上限が何%かお答できないとのことでした。

ここ10年ほど日本では低金利が続いているため、短期間でのローンを組む場合は変動金利を選ぶのもありかもしれません。ただ、2.5%前後で固定金利でリフォームローンを組めるのであれば、将来の利上げのリスクもなく、無難な選択だと考えられます。

なお、借入残高が300万円の場合、0.1%の金利上昇で年間3000円、1%の上昇だと年間3万円の負担増になります。一方で、住宅ローンなどで借入残高が3000万円の場合、0.1%の金利上昇で年間3万円、1%の上昇だと年間30万円の負担増と借入金額が大きくなればなるほどその影響は大きくなります。

元金均等返済と元利均等返済のどちらの返済方法を選ぶべきか

返済方法は、元金均等返済と元利均等返済の大きく二つの方法があります。返済期間などが同じであれば、元金均等返済の方が総返済額は少なくなるため、総返済額を抑えたい方は、元金均等返済を選ぶようにしましょう。

リフォーム減税を活用してもっとお得に借りよう!

リフォームの内容などによって、所得税や固定資産税、住民税の減税(リフォーム減税)を受けることができます。その際、ローンを組んだ方が、ローンを組まない場合と比較してより高い減税効果を見込める場合があります。

5-1.バリアフリーリフォーム・省エネリフォームを行う場合

バリアフリーリフォームや省エネリフォームを行う場合、所得税や固定資産税についてリフォーム減税を受けることができます。このリフォーム減税について、ローンを組んだ場合、ローンを組まない場合と比較してより高い減税効果を得ることができます。

例えば、300万円の借り入れの場合、リフォームローンを組むと追加で5.8万円分の減税効果(計27.5万円の減税効果)が見込めます。

ローンの有無による減税額の比較

 所得税と固定資産税の減税額
ローンを組まない場合21.7万円
ローンを組む場合26.7万円
※5年ローンで300万円の借入れの前提
※家屋の総面積100㎡以下で、固定資産税が5万円の前提

住宅ローンor長期のリフォームローンを組む場合

住宅ローン」もしくは返済期間が10年以上の「リフォームローン」を利用する場合、住宅ローン減税という減税を受けられます。具体的には、年末のローン残高の1%が10年間毎年所得税や住民税の減税を受けられます。

住宅ローン減税では、最大400万円も所得税や住民税から減税されます。

住宅ローン減税を利用した際の減税額について

 減税内容備考
住宅ローン減税毎年のローン残高の1%を10年間所得税や住民税から減税・最大の減税額は400万円
・ローンの対象額は最大4000万円
※各年度で、所得税の最大減税額40万円を上回った場合は住民税から減税されます。