一戸建てのリフォームを実施するとき、やはりできるだけ費用はおさえたいところ。
そんなときは、減税制度をうまく利用すれば、リフォーム費用はグッとおさえられます。
とはいえ、
- 一戸建てのリフォームでは、何が減税制度として使えるのかわからない
- どれくらい減税されるのか知らない
- そもそも減税制度が何なのかピンとこない
という人も多いはずです。
本記事では、一戸建ての場合に利用できるリフォームの減税制度について詳しく解説します。
減税制度を知らないと、リフォームが終わったあとで後悔するかもしれません。
今のうちに、きちんとおさえておきましょう。
まず、一戸建てのリフォームにおける減税制度についておさらいしておきましょう。
一戸建てをリフォームする場合、工事内容が各種減税制度に適合していれば、一部の税金が控除されます。
控除の対象となるのは、おおむね、
- 所得税
- 贈与税
- 固定資産税
のうち、いずれかもしくは複数です。
一戸建てでのリフォームで利用できる減税制度には、3つの種類があります。
- 住宅ローン減税
- ローン型減税
- 投資型減税
もし一戸建てのリフォームで減税がなされるなら、基本的には上記いずれかが適用されるはずです。
それぞれ、減税額やその仕組みが異なります。
下記で一つひとつ詳しく解説するので、参考にしてください。
ただし一戸建てのリフォームにおける減税制度の仕組みや手続きについては、やや複雑な部分もあります。
より確実なことを知りたい場合は、国税庁などで確認するのがおすすめです。
なお国土交通省などは、リフォーム減税に関する相談窓口なども設置しているので、参考にしてください。
住宅ローン減税
住宅ローン減税は、一戸建てリフォームにおいて、おそらくもっとも幅広く使われる減税制度です。
住宅ローン減税は「10年以上の住宅ローンを組んでいる場合」を対象としています。
減税が認められた場合、むこう10年にわたり、年末時点でのローン残債のうち1%が、所得税から控除される仕組みです。
ただし特例措置適用の場合は、13年間にわたって所得税が控除されます。
ローン型減税
ローン型減税とは、リフォームローンを対象とした減税制度です。
原則、5年以上のリフォームローンを利用している場合に適用されます。
一戸建てリフォームにおいてローン型減税が使われる場合、以下のように減税される仕組みです。
- ローン残債総額のうち、対象となるリフォームにかかった費用の2%
- ローン残債総額のうち、対象となるリフォーム以外でかかった費用の「年末時点でのローン残高1%」
上記ふたつを合計した金額が、一戸建てリフォームにおけるローン型減税の減税額となります。
ただし減税額は、向こう5年間で62万5,000円が限度として定められているので、注意してください。
投資型減税
上記までは、住宅ローンを組んでいるケースが対象となる減税制度でした。
しかし、一戸建てを購入したときに住宅ローンが組まれていなくても、「投資型減税」を利用することが可能です。
投資型減税とは、一言で言えば工事費用の10%減税されるというものです。
仮に自己資金のみで一戸建てを購入して、その後リフォームする場合も、投資型減税なら費用をおさえることは可能となります。
ただしその上限は50万円と定められています。
上限については工事内容で変動するので、事前に確認しておくことが重要です。
一戸建てのリフォームで利用できる減税制度は、数多く存在します。
中には地方自治体ごとが独自で展開しているものもあり、把握がむずかしい部分も。
ただ、一戸建てで利用できるリフォームの減税制度としては、以下が主要なものだと言えます。
- 省エネリフォームにおける減税
- バリアフリー改修における減税
- 耐震リフォームにおける減税
- 同居リフォームに関する減税
- 長期優良住宅化に関する減税
下記では、それぞれについて詳しく解説します。
該当するものがないか、一度ど確認してみましょう。
省エネリフォームにおける減税
一戸建ての場合、省エネリフォームを実施すれば、減税してもらうことが可能です。
省エネリフォームとは、具体的に以下のようなものを指します。
- すべての窓にペアガラスを設置するなどの断熱リフォーム(原則として必須)
- 壁や天井に断熱材を取り付ける
省エネリフォームだと認められた場合、以下のような減税を受けることが可能です。
- 向こう10年にわたって、年末時点でのローン残債×1%が、所得税から控除される(住宅ローン減税の場合。通常は最大400万円)
- 固定資産税が、1年度分のみ1/3が軽減される
一戸建ての省エネリフォームは、住みやすさを追求するうえでたいへん重要なものです。
ぜひとも減税制度を利用し、省エネ性の高い一戸建てへのリフォームを目指してみましょう。
バリアフリー改修における減税
一戸建ての場合、バリアフリー改修のリフォームで減税されるケースもあります。
バリアフリー改修とは、具体的には以下のようなものです。
- 手すりの設置する
- 段差をなくす
- トイレリフォーム(トイレを介護向け作り替える)
- 廊下を広くする
- 階段の勾配をゆるやかにする
- 浴室リフォーム(浴室を介護向けに作り替える)
- 転倒防止の床材への切り替える
こういった工事内容であれば、減税制度を利用できるケースがあります。
一戸建てのバリアフリー改修リフォームでは、以下のような減税があります。
- 向こう10年にわたって、年末時点でのローン残債×1%が、所得税から控除される(住宅ローン減税の場合。通常は最大400万円)
- 固定資産税が、1年度分のみ1/3軽減される
一戸建てをバリアフリーにリフォームするなら、この減税制度はかならず利用したいところです。
今後、要介護者やそれに近い人と同居する可能性があるなら、しっかりと検討しておきましょう。
耐震リフォームにおける減税
一戸建てで耐震リフォームを実施する場合、減税を利用することが可能です。
耐震リフォームとは、「建築基準法で定められた以上の築年数の戸建てを、”現在認められている耐震基準”へ切り替える」というもの。
わかりやすく言えば、国が「新しい耐震基準を作ったので、それに合わせてリフォーム欲しい。協力してくれるなら税金を安くしますよ」という趣旨の減税です。
一戸建てでの耐震リフォームでは、以下のような減税が適用されます。
- 向こう10年にわたって、年末時点でのローン残債×1%が、所得税から控除される(住宅ローン減税の場合。通常は最大400万円)
- 固定資産税が、1年度分のみ1/2となる
新しい耐震基準を満たしていない一戸建てにとって、耐震リフォームはたいへん重要です。
旧耐震基準に合わせたままでは、今後大きな地震などがあったとき、大きな事故になってしまうかもしれません。
安全を確保するとともに、減税制度でオトクにリフォームしましょう。
同居対応リフォームに関する減税
一戸建てにおいて同居対応リフォームを実施する場合も、減税が得られるケースもあります。
同居対応リフォームとは、「親から孫まで、3世代が同時に居住できるように作り替える」というものです。
該当する工事は、
- キッチン
- バスルーム
- トイレ
- 玄関
のうち、いずれかふたつの設備が、複数箇所に増設される、というもの。
たとえば現状で各設備1室しかなく、そのうえでトイレと玄関をひとつずつ増やすとします。
すると、複数箇所に存在意する設備が2種類以上となるので、同居対応リフォームとして扱われます。
一戸建てにおいて同居対応リフォームが実施された場合の減税は、以下のとおりです。
- 向こう5年にわたって、所得税から控除される(ローン型の場合。最大25万円)
- 他のリフォームと組み合わせる場合、上限は62万5,000円まで拡大される
同居対応リフォーム自体は、住宅ローン減税が対象とはなりません。
しかし同居対応リフォームに、法律で定められる一部リフォーム(バリアフリー化など)と重複した場合、住宅ローン減税が認められることもあります。
一戸建ての同居対応リフォームでは、最終的にどのように減税されるのか、前もって確認しておくことが重要です。
長期優良住宅化に関する減税
一戸建てリフォームでは、長期優良住宅化リフォーム推進事業で定められる減税が受けられる場合もあります。
同事業では、条件で定めている住宅の耐劣化性や耐震性、省エネ性を高めるリフォームに対して、減税制度を用意しています。
条件についてはやや複雑なので、公式アナウンスを参照してください。
減税の内容は、以下のとおりです。
- 向こう10年にわたって、年末時点でのローン残債×1%が、所得税から控除される(住宅ローン減税の場合。通常は最大400万円)
- 固定資産税が、1年度分のみ2/3軽減される
その他の補助金制度
上記では、適用が現実的な、主だった減税制度について解説しました。
さらに、一戸建てリフォームにおいては、他にも細かな補助金制度が多数存在します。
たとえば、
- ZEH支援事業による補助金
- 次世代省エネ建材支援事業による補助金
- 介護保険による助成金
- 地域型住宅グリーン化事業による補助金
などが挙げられるでしょう。
減税制度とともに補助金も利用できれば、一戸建てリフォームにかかる費用は相当おさえられるはずです。